映画感想「機動戦士ガンダム #ククルス・ドアンの島 」感想(ネタバレなし)

公開二日目に見てきました。

何でしょう、多分良いんです。
良いんだけど何故か言葉にできない。

劇場で買ってきたBlu-rayも2回+オーディオコメンタリーで1回見ました。
それで少し自分の頭の中が整理されたので書きます。

安彦監督は「小さきものの物語」を見てほしいということを言っていました。

たぶん、今回の映画の肝はそこなんだろうと思います。
今回の映画には子供がたくさん出てきますが、「小さきもの」って年少のものと言うことではなくて、地球全体を巻き込む戦争の中の個々人のことだと思うのです。
わかりやすいところで言えば、戦争の中でも健気に生きていく民間人と言うところでしょうけど、後に英雄と言われるアムロも、この映画に出てくるマ・クベも、シャアもギレンも広い意味では小さきものなのかもしれません。

そんな中でドアンに救われて島で暮らす20人の子どもたちにスポットライトを当てた今作。

ファーストガンダムの第15話としての「ククルス・ドアンの島」は当時安彦監督は関わっておらず、今回の映画を作るまで、その回は一度も見てこなかったそうです。
なので、もし安彦監督があの回を作っていたら今回の映画のように子どもたちにもっとフォーカスしたものを作りたかったのだろうなと思います。

冒頭で子どもたちの一人が明後日誕生日を迎えると言う話が出ます。
その誕生日パーティに向けての話はちょこちょこと出てきますが、極めつけはスタッフロールのバックの安彦監督の絵。
そこに出てくるドアンの表情。
これは泣けます。

今回の映画ではアムロは連邦の白い悪魔ではなく、15歳の少年なのだということを意識させる作りとなっています。
1年戦争での戦果やグリプス戦役での活躍、シャアの反乱で地球を救ったアムロを知っている我々は彼を戦士と見てしまいますが、ククルス・ドアンの島に行ったときは若干15歳の少年。
島の子どもたちと接しているときはそんな一少年でしか無い。

ドアンはガンダムを倒したあと、パイロットを殺すつもりだったのでしょう。
しかし、ハッチを開けてみれば15歳の少年。
その後は敵パイロットではなく、一人の少年として見つめます。

そんなドアンの大人の包容力のようなものからも感銘を受けます。

そんなわけで、この映画は一言で言えば、アムロの島の子どもたちとの交流を描いたものと言う感じです。

でも、モビルスーツアクションも随所に盛り込まれています。
島に来たジオンのザクとの戦闘など、この頃のアムロ、ここまで強かったっけ?と思っちゃうほど強くてかっこいいです。

古川登志夫さんも、いい感じの三枚目のカイさんを演じています。

池田秀一さんのシャアも出てくるには出てきますが、、、いるか?あれ?という気もしないでもないw
あのシーンは安彦さんの希望で入れたとか。

何十年かぶりに映画でファーストガンダムの声優さんたちが集まるというのもすごいことで、古谷徹さんもその辺に感動していたようです。

まぁ、残念ながら亡くなられてしまった声優さんも多いですが、、ブライトの鈴置 洋孝さん、セイラの井上 瑤さん、マ・クベの塩沢 兼人さんなど、、

でも、代役の若手俳優の方もオリジナルの声にちゃんとリスペクトしつつしっかりと演技されているのが素晴らしいです。

そうした制作の裏側では世代交代も進んでいるようで、安彦監督も若手育成の観点から副監督を立てて、30代くらいの女性のイムガヒさんを起用している。
しかも、現場は事実上彼女に仕切らせていたらしい。

しかし、それだけに、スタッフたちはガンダムを見て育ち、ガンダムファン、ククルス・ドアンの島ファンで有ったとのこと。
なので、作画崩壊と言われた面長のザクがCGになり、「石を投げなければだめですよ」と安彦監督に進言するスタッフも居たという。
作品を愛しているスタッフが作った作品が良くないわけ無いですよね。

ラストの森口博子さんのテーマ曲「Ubugoe」も相まって、ほっこりとした気持ちになる映画です。

森口博子さんについても書きたいけど、ちょっと脱線するので、今日はここまで。
とりあえず明日、CD買ってきますw

【メーカー特典あり】Ubugoe(初回限定盤)(安彦良和氏描き下ろしジャケットA4クリアファイル付き) - 森口博子
【メーカー特典あり】Ubugoe(初回限定盤)(安彦良和氏描き下ろしジャケットA4クリアファイル付き) - 森口博子

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 (Blu-ray通常版) - 安彦良和
機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 (Blu-ray通常版) - 安彦良和

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

この記事へのコメント