Excel VBA 検索のやり方(FindとMatch)
この記事に書いてあること。
1.Findより10倍速いMatch
2.Matchの欠点
3.もう一つのMatch
4.FindとMatchのサンプルコード
1.Findより10倍速いMatch
去年の夏にRangeオブジェクトのメソッド、Findについて書きましたが。
Excel VBA RangeオブジェクトのFindメソッドの使い方。
はっきり言ってネガティブな意見でした。
実は、使い方に癖がある以外にももう一つ欠点があります。
遅いんです。
と言っても、流石にVBAで1セルずつ見ていくよりは速いでしょうけど。
じゃぁ他にやりようはあるのかと言うと、ワークシート関数のMatchを使うという手があります。
Application.WorksheetFunction.Match
ということですね。
後ほど比較のためのコードも示しますが、Findより10倍くらい速いです。
2.Matchの欠点
ただ、前回の記事の論調と矛盾しますが、その結果の使い勝手で言うとFindの方が上です。
Findは探したい値を持つセルがRangeとして返ってきますので、そのままセルを加工したり、その行の他の列の値を取ってくるなどということが簡単にできます。
一方、Matchは検索範囲の中で何番目に見つかったかが返ってきます。
つまり、検索範囲が1行目からなら良いのですが

こんなデータのA3:A7を検索範囲として、3を検索したとすると、その結果は3が入っているセルの行5ではなく、検索範囲A3:A7の中で3行目なので、3が返ってきます。
なので、見つかったセルを得るには検索範囲を考慮して自分で計算しないといけません。
また、検索範囲も、FindはA1:B10のように、矩形の範囲を指定できますが、Matchは1行、もしくは1列となる範囲しか指定できません。
と、そんな欠点のあるMatchですが、Findより10倍速いので、何万件というような大量のデータの中から検索するとか、検索を何度もするというような場合はMatchがおすすめです。
3.もう一つのMatch
で、そのMatchですが、Application.WorksheetFunction.Matchの他に、もう一つあります。
Application.Match
です。
引数はワークシート関数のMatchと同じです。
ワークシート関数のMatchにはもう一つ使い勝手の点で欠点が有って、もし、検索範囲の中に検索対象が無かった場合、エラーとなり、マクロが止まってしまいます。
なので、こんな感じにコーディングする必要があります。
On Errorで囲むということですね。
その点、Application.Matchの方はもう少し簡単です。
返り値をVariant型の変数で受けるのです。
そして、
こんな感じにするのです。
エラーでない場合は、ワークシート関数のMatch同様、FoundRowには検索範囲で何番目に見つかったかが返ってきます。
ただ、ちょっと不安なのは、Application.Matchで検索してみるとわかりますが、これについて書いた記事は殆どないのです。
で、Microsoftのページに行っても、Application.Matchについては書いていないのです。
これ、使って良いのかなぁ、、と思ってしまいます。
隠し機能みたいなもので、突然使えなくなったりすることも無いとも限りません、、
そのへんは自己責任で、、w
4.FindとMatchのサンプルコード
ま、そのへんはともかく、最後にRange.Find、WorksheetFunction.MatchとApplication.Matchのサンプルコードとして頭書の速度比較のコードを示します。
A1:A10000に乱数で0から10の数字を入れて動かしました。
私のPCで実行した結果は、
Findが152秒
ワークシート関数のMatchが17秒
Application.Matchが15秒
でした。
Application.Matchの方がワークシート関数のMatchより微妙に速いようですね。
ということで、検索するならMatchがおすすめというお話でした。
なお、Microsoft365などの最新のExcelにはXMatchなるワークシート関数があるそうです。
私の手元に試せる環境が無いのと、Microsoftの説明を読んでもよくわからなかったので、これについては他の方におまかせします。

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1.Findより10倍速いMatch
2.Matchの欠点
3.もう一つのMatch
4.FindとMatchのサンプルコード
1.Findより10倍速いMatch
去年の夏にRangeオブジェクトのメソッド、Findについて書きましたが。
Excel VBA RangeオブジェクトのFindメソッドの使い方。
はっきり言ってネガティブな意見でした。
実は、使い方に癖がある以外にももう一つ欠点があります。
遅いんです。
と言っても、流石にVBAで1セルずつ見ていくよりは速いでしょうけど。
じゃぁ他にやりようはあるのかと言うと、ワークシート関数のMatchを使うという手があります。
Application.WorksheetFunction.Match
ということですね。
後ほど比較のためのコードも示しますが、Findより10倍くらい速いです。
2.Matchの欠点
ただ、前回の記事の論調と矛盾しますが、その結果の使い勝手で言うとFindの方が上です。
Findは探したい値を持つセルがRangeとして返ってきますので、そのままセルを加工したり、その行の他の列の値を取ってくるなどということが簡単にできます。
一方、Matchは検索範囲の中で何番目に見つかったかが返ってきます。
つまり、検索範囲が1行目からなら良いのですが

こんなデータのA3:A7を検索範囲として、3を検索したとすると、その結果は3が入っているセルの行5ではなく、検索範囲A3:A7の中で3行目なので、3が返ってきます。
なので、見つかったセルを得るには検索範囲を考慮して自分で計算しないといけません。
また、検索範囲も、FindはA1:B10のように、矩形の範囲を指定できますが、Matchは1行、もしくは1列となる範囲しか指定できません。
と、そんな欠点のあるMatchですが、Findより10倍速いので、何万件というような大量のデータの中から検索するとか、検索を何度もするというような場合はMatchがおすすめです。
3.もう一つのMatch
で、そのMatchですが、Application.WorksheetFunction.Matchの他に、もう一つあります。
Application.Match
です。
引数はワークシート関数のMatchと同じです。
ワークシート関数のMatchにはもう一つ使い勝手の点で欠点が有って、もし、検索範囲の中に検索対象が無かった場合、エラーとなり、マクロが止まってしまいます。
なので、こんな感じにコーディングする必要があります。
On Error Resume Next
FoundRow = WorksheetFunction.Match(5, Range("A1:A10"), 0)
If Err.Number = 0 Then
Else
見つからなかった
End If
On Error Goto 0
On Errorで囲むということですね。
その点、Application.Matchの方はもう少し簡単です。
返り値をVariant型の変数で受けるのです。
そして、
FoundRow = Application.Match(5, Range("A1:A10"), 0)
If IsError(FoundRow) Then
見つからなかった。
End If
こんな感じにするのです。
エラーでない場合は、ワークシート関数のMatch同様、FoundRowには検索範囲で何番目に見つかったかが返ってきます。
ただ、ちょっと不安なのは、Application.Matchで検索してみるとわかりますが、これについて書いた記事は殆どないのです。
で、Microsoftのページに行っても、Application.Matchについては書いていないのです。
これ、使って良いのかなぁ、、と思ってしまいます。
隠し機能みたいなもので、突然使えなくなったりすることも無いとも限りません、、
そのへんは自己責任で、、w
4.FindとMatchのサンプルコード
ま、そのへんはともかく、最後にRange.Find、WorksheetFunction.MatchとApplication.Matchのサンプルコードとして頭書の速度比較のコードを示します。
Sub FindTest()
Dim i As Integer
Dim startTime As Double
Dim TimeFind As Double
Dim TimeFunc As Double
Dim TimeMatch As Double
startTime = Timer()
For i = 1 To 100
Call findByFind
Next i
TimeFind = Timer() - startTime
startTime = Timer()
For i = 1 To 100
Call findBySheetFunction
Next i
TimeFunc = Timer() - startTime
startTime = Timer()
For i = 1 To 100
Call findByMatch
Next i
TimeMatch = Timer() - startTime
MsgBox "Find:" & TimeFind & vbCrLf & _
"Func:" & TimeFunc & vbCrLf & _
"Match:" & TimeMatch
End Sub
Sub findByFind()
Dim FirstRange As Range
Dim FoundRange As Range
Set FirstRange = Range("A1").CurrentRegion.Find(5, lookat:=xlWhole)
Debug.Print FirstRange.Address
Set FoundRange = FirstRange
Do
Set FoundRange = Range("A1").CurrentRegion.FindNext(FoundRange)
Debug.Print FoundRange.Address
Loop Until FoundRange.Address = FirstRange.Address
End Sub
Sub findBySheetFunction()
Dim FoundRow As Long
Dim LastRow As Long
Dim StartRow As Long
LastRow = Range("A1").CurrentRegion.Rows.Count
StartRow = 1
Do While StartRow <= LastRow
On Error Resume Next
FoundRow = WorksheetFunction.Match(5, Range(Cells(StartRow, 1), Cells(LastRow, 1)), 0)
If Err.Number = 0 Then
Else
Exit Do
End If
On Error GoTo 0
Debug.Print StartRow + FoundRow - 1
StartRow = StartRow + FoundRow
Loop
End Sub
Sub findByMatch()
Dim FoundRow As Variant
Dim LastRow As Long
Dim StartRow As Long
LastRow = Range("A1").CurrentRegion.Rows.Count
StartRow = 1
Do While StartRow <= LastRow
FoundRow = Application.Match(5, Range(Cells(StartRow, 1), Cells(LastRow, 1)), 0)
If IsError(FoundRow) Then
Exit Do
End If
Debug.Print StartRow + FoundRow - 1
StartRow = StartRow + FoundRow
Loop
End Sub
A1:A10000に乱数で0から10の数字を入れて動かしました。
私のPCで実行した結果は、
Findが152秒
ワークシート関数のMatchが17秒
Application.Matchが15秒
でした。
Application.Matchの方がワークシート関数のMatchより微妙に速いようですね。
ということで、検索するならMatchがおすすめというお話でした。
なお、Microsoft365などの最新のExcelにはXMatchなるワークシート関数があるそうです。
私の手元に試せる環境が無いのと、Microsoftの説明を読んでもよくわからなかったので、これについては他の方におまかせします。

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