感想「機動戦士ガンダム」(TV版)
宇宙世紀モノの映像作品が比較的安価でブルーレイになりつつあります。
そんな中、いわゆるファーストガンダムのブルーレイボックスが9月末に発売され、即購入。
一ヶ月ほどかけて全話視聴しました。

U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダム - 富野由悠季
私はまさにファーストガンダム世代で、中学生の頃は何度も再放送されていました。
それを見てはいましたが、ちゃんと全話は見ておらず、なんとなくの理解。
むしろ、高校生の頃に放映された、Ζガンダムで本格的にガンダムにハマったという感じです。
とは言え、大人になってから映画版のDVDを買って何度も見ました。
ガンダムファンの方なら御存知の通り映画版は基本的にTV版のダイジェストですが、設定が異なっていたり、ストーリーの順序が異なっていたり、削除されたエピソードもいくつもありそのへんの違いを確認したかったというのもあります。
さて、内容に触れていきますが。
サイド7でガンダムとアムロたちがホワイトベースに乗り込み、ルナツー経由で地球へ降りる。
ジオンの勢力圏である北米でガルマとシャアに追いかけ回され、太平洋へ逃れてアジアへ。
そして、オデッサ作戦へ参加。
この間のTV版のエピソードを続けて見ると緊迫感がひしひしと伝わってきます。
時折マチルダ中尉の補給を受けられるとは言え、単艦で地球を半周し、その間次々と組織的な攻撃を受ける。
そもそもの人手不足、熟練不足、サイド7で抱え込んだ避難民の反発。
ほんと、ブライトさん大変ね、、
その後も単艦でベルファスト経由でジャブローへ。
この間もマッドアングラー隊へ異動したシャアの追撃を受けるが、オデッサを落とした後なので、ちょっとホッとした感じ。
そして宇宙(そら)へ戻る。
ここからは新型のMAや広く配備されたリックドム、ゲルググに悩まされ、また緊張感が高まっていく。
そしてソロモン戦。
リュウが死んだときには泣かなかったのに、スレッガーが死んだときは泣いてしまった。
ミライさんの反応が涙を誘ったのでしょう。
そう言えば、リュウの死の直前、ブライトとアムロの確執を解こうと重傷の体で二人のところを行き来する姿は映画版では省略されていたと思うので、ちょっとぐっと来ましたね。
連邦がソロモンを手に入れたことで、ホワイトベースも艦隊行動をするようになり、孤立感は減り、ジオンに対して今度は連邦が押していく気運が見られるようになります。
しかし、ソーラ・レイで連邦の戦力は大きく削られ、レビル将軍も戦死。
ああ、レビル将軍が存命ならば、アムロが幽閉されたりティターンズが台頭することもなかったかもしれないのに、、とその先の歴史を知っているだけに残念に思います。
テキサスでシャアのゲルググに苦しめられたアムロだったが、ソロモンでマグネットコーティングをガンダムに施し、次のシャアとの対決では有利に戦いを進める。
映画版では宇宙に上がってドレンの艦隊を破るあたりで、アムロのニュータイプへの目覚めを感じさせるような描き方がされているが、TV版を見ると、そこまではオールドタイプとして熟練したという感じで、ニュータイプへの目覚めはサイド6でのララァとの出会いのように感じた。
テキサスでのシャアとの対決で明確にニュータイプの素質が発現し、ソロモンでのララァの死でその能力が頂点に達する。
対してシャアはどうなのだろう。
ファーストガンダムでは描かれていない、ルウム戦役の頃からの働きを見れば、すでにニュータイプとも思えるが、それも単に抜きん出た一流のオールドタイプでしかなかったのかもしれない。
しかし、人類の革新たるニュータイプの出現を予言したジオン・ズム・ダイクンの子としてニュータイプには関心を示し、その素質を見出したララァをフラナガン機関へ託すということをした。
そしてシャア自身がニュータイプとして目覚めるのもやはりフラナガン機関から戻ってきたララァとの再会がきっかけだったように思う。
しかし、この時のシャアはニュータイプとしてはまだ二流、三流であった。
それ故、マグネットコーティングを施したガンダムを駆る一流のニュータイプであるアムロの敵ではなくなっていた。
そして、アムロとララァが得たニュータイプ同士の「わかり合う」という能力をまだ実感として得ていなかったと思う。
それ故アムロに恐怖を感じ、ザビ家への復讐をさておき、アムロを倒すことに一時執着した。
そういうことなのではないかと、今回TV版を続けて見て思った。
そしてもう一つ思ったのは、特に後半宇宙に戻ってからの戦いは熾烈を極め、多くの凄惨な戦闘シーンが描かれる。
果たして、これほど殺し合うに足るイデオロギーの違いがあるものだろうか。
そんなことを思ってしまう。
規模の大小こそあれ、これは太古の昔から現在に至っても実際の人類が繰り返してきたこと。
現実の我々がわかり合えるにはどうしたらいいのだろう。
映像の解像度が低かったり、セルのゴミが盛大に写り込んでいたり、今どきのアニメでは考えられないレベルのデッサンの崩れが有ったりと、映像上の不満はどうしても出てきてしまうが、やはりストーリーとしては秀逸な出来だなと再確認させられました。
さて、次は今月末に出るΖだな。

U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士Zガンダム I - 富野由悠季

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そんな中、いわゆるファーストガンダムのブルーレイボックスが9月末に発売され、即購入。
一ヶ月ほどかけて全話視聴しました。

U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダム - 富野由悠季
私はまさにファーストガンダム世代で、中学生の頃は何度も再放送されていました。
それを見てはいましたが、ちゃんと全話は見ておらず、なんとなくの理解。
むしろ、高校生の頃に放映された、Ζガンダムで本格的にガンダムにハマったという感じです。
とは言え、大人になってから映画版のDVDを買って何度も見ました。
ガンダムファンの方なら御存知の通り映画版は基本的にTV版のダイジェストですが、設定が異なっていたり、ストーリーの順序が異なっていたり、削除されたエピソードもいくつもありそのへんの違いを確認したかったというのもあります。
さて、内容に触れていきますが。
サイド7でガンダムとアムロたちがホワイトベースに乗り込み、ルナツー経由で地球へ降りる。
ジオンの勢力圏である北米でガルマとシャアに追いかけ回され、太平洋へ逃れてアジアへ。
そして、オデッサ作戦へ参加。
この間のTV版のエピソードを続けて見ると緊迫感がひしひしと伝わってきます。
時折マチルダ中尉の補給を受けられるとは言え、単艦で地球を半周し、その間次々と組織的な攻撃を受ける。
そもそもの人手不足、熟練不足、サイド7で抱え込んだ避難民の反発。
ほんと、ブライトさん大変ね、、
その後も単艦でベルファスト経由でジャブローへ。
この間もマッドアングラー隊へ異動したシャアの追撃を受けるが、オデッサを落とした後なので、ちょっとホッとした感じ。
そして宇宙(そら)へ戻る。
ここからは新型のMAや広く配備されたリックドム、ゲルググに悩まされ、また緊張感が高まっていく。
そしてソロモン戦。
リュウが死んだときには泣かなかったのに、スレッガーが死んだときは泣いてしまった。
ミライさんの反応が涙を誘ったのでしょう。
そう言えば、リュウの死の直前、ブライトとアムロの確執を解こうと重傷の体で二人のところを行き来する姿は映画版では省略されていたと思うので、ちょっとぐっと来ましたね。
連邦がソロモンを手に入れたことで、ホワイトベースも艦隊行動をするようになり、孤立感は減り、ジオンに対して今度は連邦が押していく気運が見られるようになります。
しかし、ソーラ・レイで連邦の戦力は大きく削られ、レビル将軍も戦死。
ああ、レビル将軍が存命ならば、アムロが幽閉されたりティターンズが台頭することもなかったかもしれないのに、、とその先の歴史を知っているだけに残念に思います。
テキサスでシャアのゲルググに苦しめられたアムロだったが、ソロモンでマグネットコーティングをガンダムに施し、次のシャアとの対決では有利に戦いを進める。
映画版では宇宙に上がってドレンの艦隊を破るあたりで、アムロのニュータイプへの目覚めを感じさせるような描き方がされているが、TV版を見ると、そこまではオールドタイプとして熟練したという感じで、ニュータイプへの目覚めはサイド6でのララァとの出会いのように感じた。
テキサスでのシャアとの対決で明確にニュータイプの素質が発現し、ソロモンでのララァの死でその能力が頂点に達する。
対してシャアはどうなのだろう。
ファーストガンダムでは描かれていない、ルウム戦役の頃からの働きを見れば、すでにニュータイプとも思えるが、それも単に抜きん出た一流のオールドタイプでしかなかったのかもしれない。
しかし、人類の革新たるニュータイプの出現を予言したジオン・ズム・ダイクンの子としてニュータイプには関心を示し、その素質を見出したララァをフラナガン機関へ託すということをした。
そしてシャア自身がニュータイプとして目覚めるのもやはりフラナガン機関から戻ってきたララァとの再会がきっかけだったように思う。
しかし、この時のシャアはニュータイプとしてはまだ二流、三流であった。
それ故、マグネットコーティングを施したガンダムを駆る一流のニュータイプであるアムロの敵ではなくなっていた。
そして、アムロとララァが得たニュータイプ同士の「わかり合う」という能力をまだ実感として得ていなかったと思う。
それ故アムロに恐怖を感じ、ザビ家への復讐をさておき、アムロを倒すことに一時執着した。
そういうことなのではないかと、今回TV版を続けて見て思った。
そしてもう一つ思ったのは、特に後半宇宙に戻ってからの戦いは熾烈を極め、多くの凄惨な戦闘シーンが描かれる。
果たして、これほど殺し合うに足るイデオロギーの違いがあるものだろうか。
そんなことを思ってしまう。
規模の大小こそあれ、これは太古の昔から現在に至っても実際の人類が繰り返してきたこと。
現実の我々がわかり合えるにはどうしたらいいのだろう。
映像の解像度が低かったり、セルのゴミが盛大に写り込んでいたり、今どきのアニメでは考えられないレベルのデッサンの崩れが有ったりと、映像上の不満はどうしても出てきてしまうが、やはりストーリーとしては秀逸な出来だなと再確認させられました。
さて、次は今月末に出るΖだな。

U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士Zガンダム I - 富野由悠季

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