読書感想「マーダーボット・ダイアリー」

マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫) - マーサ・ウェルズ, 安倍 吉俊, 渡邊 利道, 中原 尚哉
マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫) - マーサ・ウェルズ, 安倍 吉俊, 渡邊 利道, 中原 尚哉

マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫) - マーサ・ウェルズ, 中原 尚哉
マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫) - マーサ・ウェルズ, 中原 尚哉

ワームホールを通り抜けて多くの太陽系外惑星まで人類が進出した未来。
とある未開の惑星の調査隊の警備を任されたAI搭載の人型警備ロボットが主人公。

自らを「弊機」と呼び、趣味は連続ドラマの視聴。
しかし、人間とのコミュニケーションが苦手。
人間の目を見て話したり、人間に触れられるのが苦手。
そもそも人間に顔を見られるのも嫌なので、多くの場合フェイスシールドをおろし、不透明化している。

つまり、コミュ障のAIロボットなのだ、、、

作者は現在55歳のアメリカ人。

アメリカ人は陽気でコミュニケーション力が高いと思われがちだが、きっと、この「弊機」のような人だって多いのだろう。

この物語は上下2巻に渡り、短編4編からなる。

1話目で調査隊の警備任務中に事件に巻き込まれ、警備任務から解かれて3つの惑星を渡り歩く物語。

「弊機」は過去に故障が原因で多くの人間を殺した経歴がある。
だから自嘲的に自らを「マーダーボット」と名乗ることもある。

そんな経歴も有り、人とのコミュニケーションに苦手意識があるのだろう。

でも、調査隊の警備と3つの惑星への旅を通じてその意識も少しずつ変わっていく。


物語は「弊機」の一人称で語られる。
なのでAIならではの感性で描かれる。

例えば、人間の外見で年齢を推測するのが苦手だったり、様々な人間関係を好きな連続ドラマから推測したり。

時には偽名も好きなドラマの登場人物の名前を使ったり。

「弊機」はハッキング能力にも長けており様々なシステムをハッキングしつつ旅をする。

時には連続ドラマを見ながら、、、

そして、AIと言えど、不安になることもある。
そんな時は連続ドラマを見て心を落ち着けるのだ。

なので、新たなステーションや惑星に行くと、新作ドラマのダウンロードは欠かさない。


ちなみに、原書では単に「I」と自称しているらしく、「弊機」に相当する特別な単語を使っているわけではないらしい。
でも、私は自らを「弊機」と呼ぶ連続ドラマ好きのロボットの話と聞いて興味を持った。

翻訳家、もしくは編集者のアイデア勝ちだろう。

でも、このロボットが日本語を話すのであれば、きっと「弊機」と自称するだろうなと思うような奴ではある。

なかなか面白かったのでお勧めです。

すでに続編が書かれているらしいので、それも日本で出版されることを望みます。

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