TRONって知ってますか?
映画の話ではないです。
1984年にプロジェクトが開始したリアルタイムOSの話。
国産OSという触れ込みで、当時東京大学理学部の助手だった坂村健さんが構想したもの。
1984年、この時私は17歳、高校2年生。
中学2年生の時にコンピューターに初めて触れ、その面白さにのめりこみ、このころには明確にコンピューター技術者を目指していた。
そんな中、おそらくパソコン雑誌か何かでTRONの事を知ったのであろう。
OSというとWindowsやMac OSを思い浮かべる人が多いと思うが、TRONはそれにとどまらず組み込み系OSも含み、今でいうIoTも30年以上前から見据えていた。
私はやはりパソコン向けBTRON、およびそれを組み込んだパソコンに興味があった。
1984年にMacintoshが、翌年にWindowsの原型となる物が発売されたとはいえ、世の中はまだまだCUIが一般的だったころにGUIを採用し、今でいうHTMLやWindowsのショートカット、文書に絵や表を埋め込むOLEなどに通じる考え方を採用していて、とても興奮した物だった。
キーボードも四角いものでなく、キー配列も主流のQWERTYではない。
この時知ったのだが、QWERTY配列はタイプライターで活字を支えるアームが絡まないようにわざと打鍵が遅くなるように考えられたという説があるとか。
なので、コンピュータの入力装置としてはQWERTY配列は最適でないという考え方だった。
当時の私にとって坂村さんはヒーローだった。
ただ、このころはまだ構想に過ぎず、製品は世の中に出ていなかった。
その後BTRONの商品化の動きは有ったものの結局普及するには至らず、事実上姿を消した。
なので、TRONはすたれたのかと思っていたら、、
「主張しないOSだったから世界に広がった」TRONの生みの親・坂村健が語る
組み込みOSでは6割ものシェアを誇るようになっていたのですね。
なんと小惑星探査機「はやぶさ」、H2Aロケット、GoPro、トヨタのエンジン制御、BOSCHなどのカーナビ、各社のプリンタや複合機、デジタルカメラ、携帯電話の電波制御部などに使われているとか、、
驚きました。
家にもTRONが組み込まれているものがあるかも。
Linuxのように、仕様やソースコードが公表されているものというのも知りませんでした。
発案者が企業の人ではなく、学者であったというのが成功の秘訣だったのかもしれませんね。
そのため、TRONで坂村さんが億万長者にはなりませんでしたが、東洋大学情報連携学部長、東京大学名誉教授になられて、まだまだご活躍のようです。
知らないところで活躍されていたかつてのヒーローを久しぶりに拝見してうれしいです。
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1984年にプロジェクトが開始したリアルタイムOSの話。
国産OSという触れ込みで、当時東京大学理学部の助手だった坂村健さんが構想したもの。
1984年、この時私は17歳、高校2年生。
中学2年生の時にコンピューターに初めて触れ、その面白さにのめりこみ、このころには明確にコンピューター技術者を目指していた。
そんな中、おそらくパソコン雑誌か何かでTRONの事を知ったのであろう。
OSというとWindowsやMac OSを思い浮かべる人が多いと思うが、TRONはそれにとどまらず組み込み系OSも含み、今でいうIoTも30年以上前から見据えていた。
私はやはりパソコン向けBTRON、およびそれを組み込んだパソコンに興味があった。
1984年にMacintoshが、翌年にWindowsの原型となる物が発売されたとはいえ、世の中はまだまだCUIが一般的だったころにGUIを採用し、今でいうHTMLやWindowsのショートカット、文書に絵や表を埋め込むOLEなどに通じる考え方を採用していて、とても興奮した物だった。
キーボードも四角いものでなく、キー配列も主流のQWERTYではない。
この時知ったのだが、QWERTY配列はタイプライターで活字を支えるアームが絡まないようにわざと打鍵が遅くなるように考えられたという説があるとか。
なので、コンピュータの入力装置としてはQWERTY配列は最適でないという考え方だった。
当時の私にとって坂村さんはヒーローだった。
ただ、このころはまだ構想に過ぎず、製品は世の中に出ていなかった。
その後BTRONの商品化の動きは有ったものの結局普及するには至らず、事実上姿を消した。
なので、TRONはすたれたのかと思っていたら、、
「主張しないOSだったから世界に広がった」TRONの生みの親・坂村健が語る
組み込みOSでは6割ものシェアを誇るようになっていたのですね。
なんと小惑星探査機「はやぶさ」、H2Aロケット、GoPro、トヨタのエンジン制御、BOSCHなどのカーナビ、各社のプリンタや複合機、デジタルカメラ、携帯電話の電波制御部などに使われているとか、、
驚きました。
家にもTRONが組み込まれているものがあるかも。
Linuxのように、仕様やソースコードが公表されているものというのも知りませんでした。
発案者が企業の人ではなく、学者であったというのが成功の秘訣だったのかもしれませんね。
そのため、TRONで坂村さんが億万長者にはなりませんでしたが、東洋大学情報連携学部長、東京大学名誉教授になられて、まだまだご活躍のようです。
知らないところで活躍されていたかつてのヒーローを久しぶりに拝見してうれしいです。

この記事へのコメント
もう10年以上も前の話ですが、あるエンジニアの方がマイクロソフト製品を酷評するブログを書いておられました。その方によれば、Windowsやその元になっているDOSのアーキテクチャが貧弱で、他のOSに比べてもの凄く効率が悪い、つまりリソースを必要以上に食ってしまうものらしいです。
しかし! ビルゲイツのえげつない商売方法で、他の良質OC、そして様々なマイクロソフト製品より上質のソフトウェアが消えて行きました。ビジネスの世界は食うか食われるかの弱肉強食の世界ですので、ライバルを叩き潰すのは普通の事かもしれませんが、尊敬すべきモラルや公共の利益を重んじる社会性などは、マイクロソフトには見られませんでした。
今、コロナ騒動で、ビルゲイツが救世主のように、聖人君子のような扱われていますが、マイクロソフトの歴史を知るものとして違和感しかありません(笑)
WindowsはMS-DOSから発展した物なので確かにそういう面はあるかもしれませんね。
ただ、WindowsXPからはNT系に統一されたので、それ以前のバージョンとは一線を画すものになっているようです。
まぁ、コンピュータ関係者の間でもOSやエディターの話は宗教の話並みにデリケートな話なのでうかつに話さない方が良い話題となっていますが、、w
私は8bit時代からパソコンをいじっていて、その頃は同じメーカーのパソコン間でさえソフトエアやハードウエアの互換性が無かったりしました。
なので、人気の無い機種はどんなに優れていてもハード、ソフトが手に入りにくいという時代でした。
まぁ、その代わり、ソフトは自分で作るものという時代だったのでまだ良いのですが、その頃の経験から私は互換性を重視するようになりました。
なので、実はApple嫌いなんです、、
MS-DOSで世の中統一されようとしているときにMacを発売して、また世の中を互換性で分断しようとしている。
私にはそう見えました。
なかなか何が正しいかは難しい問題ですね。w
マシーンからOSそしてアプリまで自前のAppleとは対照的に、多くのベンダーの参入を許す事で、結果的にPCを世の中に普及させた功績は認めております。
結局物の見方の問題でそれぞれの考え方がありますからね。
また見に来てください。