相続手続きは大変
実は夏に母を亡くしました。
そのこと自体はだいぶ前から覚悟できていたことなので、今は特に落ち込んだりとかはしていませんので、ご心配なく。
さて、そうなると相続手続きが必要になります。
結構あちこち走り回らなければならないので、司法書士などに頼んでしまう人も多そうですが、父、姉と協力して何とか自分たちだけでやりました。
折角なので、皆さんにも共有しようと思い、やったことを記録しておこうと思います。
ただし、相続は様々なパターンがあり、私は当然専門家ではないので、すべてを網羅して書くことはできません。
あくまで私が体験したパターンのみの記述になることはご了承ください。
また、私の思い違い、記憶違いで誤ったことを書いている場合も無いとは言えないので、詳細、疑問点は法務局、各金融機関、税務署等にご確認ください。
私が体験したパターンは以下の通り。
比較的単純で、ありがちなパターンになると思います。
前提として、死亡届は提出済み、年金などの停止手続きも済んでいる状態からのスタートとします。
また、相続の世界では、亡くなった方(故人)の事を被相続人というので、この後もそのように表記します。
亡くなった方の遺産を相続する人は相続人です。
そんな私のパターンでやるべきことはこれだけ。
1.遺産の把握
2.遺書の有無確認
3.預貯金の停止、残高証明書発行依頼
4.土地家屋の価格の調査
5.被相続人の戸籍謄本収集
6.相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明
7.法定相続人情報一覧図を作成
8.遺産分割協議書の作成
9.相続手続き(土地、建物)
10.相続手続き(預貯金)
11.相続税の申告、納付
結構あります。
一つ一つ説明していきます。
1.遺産の把握
まずは、当然、遺産がどれだけあるかを把握します。
遺産となるものは、主に
・土地建物などの不動産
・クルマなど
・預貯金、現金
・株などの有価証券
・会社など
・高価な美術品など
がありますので、それらをリストアップするところから始まります。
よほどの資産家でない限り、不動産、クルマ、美術品辺りは物があるのでわかりやすいと思いますが、預貯金、有価証券などはタンスの奥深くに隠してあったり、今時、紙の株券も珍しくなってきていると思いますので、結構把握に手間取るかもしれません。
2.遺書の有無確認
遺書があり、それに財産の分割について記述があれば、その通りにする必要があるので、遺書を探します。
私のパターンでは状況的に遺書は無いと判断されたので遺書があるパターンについては詳細は知りません。
遺書が無い場合や、遺書に記述がない遺産があった場合などは8.に書く遺産分割協議書の作成が必要になります。
3.預貯金の停止、残高証明発行依頼
遺産分割にあたり、まずは被相続人の預貯金を停止する必要があります。
それと同時に、被相続人の死亡日現在の残高を把握する必要があるので、残高証明書の発行を依頼します。
実際の依頼は、住んでいるところの問題で、父と姉に任せてしまったので詳細は知りませんが、被相続人が死亡したことを証明するために除籍謄本(役所で言う除籍謄本は婚姻や死亡で誰もいなくなった戸籍謄本の事ですが、金融機関などに言われる除籍謄本とは、死亡のため除籍になったことを記載された通常の戸籍謄本の事)が必要になるようです。
被相続人の最後の本籍地の市区町村役場でもらえますが、死亡届を出してから実際に戸籍や住民票に反映されるのに1週間程度時間がかかるそうなので、しばらく待ってからでないと動けません。
金融機関への手続きの詳細や必要書類は、各金融機関によって異なると思いますので、遺産のある金融機関にお問い合わせください。
4.土地家屋の価格の調査
相続は、遺書が無い場合、基本的に被相続人の配偶者が遺産の半分を、残りを被相続人の子供が等分して相続します。
そのため、遺産に土地家屋がある場合は、それが幾らに相当するかを知らないと分割のしようがありませんし、相続税を申告する際にも幾ら払えばいいかわかりません。
また、土地家屋の相続手続きの際にも金額が必要になります。
この金額は、不動産屋さんが幾らで買ってくれるかとかではなく、固定資産税のもととなる金額となります。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001207255.pdf
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188808.pdf
この辺の後ろの注記に書いてあるのですが、
とのことなので、まずは、市区町村役場からアプローチしてみましょう。
私の場合は、結局都税事務所の遺産の土地家屋の住所地を管轄するところから「土地家屋名寄帳」というものを取り寄せました。
この時に、土地家屋の住居表示とは少し違う、地番、建物番号などが必要になりますので、登記の際の書類があるといいですが、最悪住居表示でもなんとかなります。
5.被相続人の戸籍謄本収集
これも、戸籍に死亡届が反映されている必要があるので、1,2週間たってから動いたほうが良いでしょう。
被相続人の法定相続人(多くの場合、配偶者、子)が誰であるかを証明するために必要になります。
自分たちは相続人の範囲はこれだけと思っていても、実は被相続人に離婚歴があって、前の配偶者との間に子供いた、あるいは非嫡出子(婚姻関係にない相手との子)が居た場合は、その人たちにも相続権があるので、この後作る遺産分割協議書の作成に加えなければなりません。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要です。
わからなければ、まずは現在の本籍地の市区町村役場に請求しましょう。
戸籍を作る際には、その前はどこに戸籍があったかが書いてあります。
郵便でも取り寄せられますが、1通当たり幾らと手数料がかかり、郵便での取り寄せの場合、郵便小為替というのを手数料分作り、同封する必要があります。
ただし、戸籍は戸籍の法律が変わったタイミングで作り変えられたりするので、1通か2通かわからない場合もあります。
割と最近でも平成6年に法律が変わったようで、母の戸籍で言うと平成13年、平成20年に戸籍が作り変えられていました。
そんなこともあり、最初は郵便で取り寄せようかと思っていたのですが、母の実家の市が、たまたま、私が住んでいるところから40km程度だったので車で市役所に行くことにしました。
しかし、結果的にそれは正解でした。
まず、上記の戸籍に関する法律の改正の問題で、案の定2通出てきました。
更に、生まれた時からその市に居たのかと思いきや、生まれてから4歳くらいまで、隣県の、私から見るとおじいちゃんの兄を戸主とする戸籍に入っていたのです。
そこまでも数kmだったので、そっちまで足を延ばして無事に出生時からの戸籍謄本をすべて集めることができました。
そんなところに戸籍があったことは父も知りませんでした。
普段から配偶者、両親の本籍地の変遷を聞いておいたほうが良いですね。
親や配偶者の結婚前の戸籍謄本を取る場合は、被相続人の子、配偶者であることを証明するために、請求者の戸籍謄本や身分証明が必要になります。
6.相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明
相続人の戸籍謄本、住民票、印鑑証明も何かと必要です。
各自相続人の人数分取得して、各相続人に配っておいたほうが良いでしょう。
各相続人の住所地、本籍地の市町村役場で取り寄せてください。
7.法定相続人情報一覧図を作成
最低限、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本があれば相続手続きはできますが、何通にもなって、更にそれらを相続人の数だけそろえると大変なことになるし、それらを見る人も大変です。
そこで、最近できた制度のようなのですが、法定相続人(多くの場合、配偶者、子)をすべて家系図のように記載した、法定相続人情報一覧図というものを自分で作成し、法務局へ被相続人のすべての戸籍謄本とともに持っていくと、法定相続人情報一覧図が確かに正しいと証明してくれて、その一覧図一枚で法定相続人がこれだけであるという事の証明になるものを請求できるようになります。
被相続人の最後の住所地か、いずれかの相続人の現住所の管轄の法務局で証明をしてもらいます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000014.html
必要書類は
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・作成した法定相続人情報一覧図
・一覧図に相続人の住所を記載する場合には相続人の住民票
・申出人(法務局に行く人)の認印
が最低限必要となります。
これらは原本の返却を希望すれば、証明書発行時に返却されます。
この手続きには法務局への予約が必要です。
また、法務局の証明の入った一覧表ができるまでに1週間程度かかります。
再度法務局を訪れて受け取るか、ゆうパックで送ってもらうかを選択できます。
最低限相続人の数だけ請求しておけば、以後の相続手続きを並列にできます。
8.遺産分割協議書の作成
遺産の分割について記述された遺書が無い場合、預貯金の残高証明、土地家屋の価格に基づいて、相続人全員で協議し、どの遺産をだれが相続するかを決定して、文書にします。
これが無いと、法務局や各金融機関は、窓口に現れた人に遺産を渡していいかを判断できません。
相続人全員の署名、実印を押し、同じものを相続人の人数分作成します。
フォーマットは特に決まったものはありませんが、例えば以下のような感じ。
https://www.smbc.co.jp/kojin/souzoku/chishiki/chishiki05.html
ここまでで、やっと相続手続きの準備完了です。
私の場合、ここまでで2か月ほどかかりました。
9.相続手続き(土地、建物)
相続する不動産の所在地を管轄する法務局で手続きをします。
(予約が必要です。)
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/fudousan4.html
必要な書類等
・申請書
・法定相続人情報一覧図(ホームページには被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本とありますが、一覧図があればそれだけでいいそうです。)
・土地家屋の価格を調べた時に取り寄せた書類
・遺産分割協議書
・法定相続人全員の印鑑証明
・土地家屋の相続人住民票?
・土地家屋の相続人戸籍謄本?
・土地家屋の相続人実印、認印
相続人の住民票、戸籍謄本は必要だったかちょっと記憶が定かでないです。
書類はコピーと共に渡せば後日原本は返ってきます。
手続き完了まで半月程度かかります。
10.相続手続き(預貯金)
各金融機関で手続きをします。
金融機関によって手続きの方法や、手続きのできる支店(最寄りでいいのか、口座のある支店の必要があるのか)が違うので、各金融機関に確認が必要です。
最低限必要となるのは
・相続する通帳、証書
・法定相続人一覧図
・遺産分割協議書
・法定相続人全員の印鑑証明
・該当の口座を相続する相続人の住民票
辺りです。
とりあえず私が相続したゆうちょ銀行の預金についてはすでに手続きをしたのですが、まずインターネットで登録のようなものをして、いくつかの書類を印刷して最寄りの普通の郵便局へもっていきました。(本局とかである必要はなさそう)
通帳、証書以外の書類は郵便局側でその場でコピーを取って、原本を返却してくれました。
書類はいったんセンターに送られ、後日私の名義になった通帳などが送られてきました。
https://www.jp-bank.japanpost.jp/tetuzuki/souzoku/tzk_szk_index.html
11.相続税の納付
被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要です。
被相続人の配偶者は非課税です。
被相続人の最後の住所地の管轄の税務署に納付します。
これはまだやっていないので、詳細は不明です。
被相続人の最後の住所地の税務署で手続きをする必要があるため、まずは、実家の隣に住んでいる姉にやってみてもらって、必要な書類等がはっきりしてから行こうと思っています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/souzoku.htm
<2020/9/23追記>
相続税についてはここに書きました。
相続税の納付について
まとめ
役所から取得する書類
・被相続人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の住民票
・相続人全員の印鑑証明
・土地建物の評価額がわかるもの
金融機関から取得する書類
・残高証明書
作成する書類
・法定相続人情報一覧図
・遺産分割協議書
たぶん、これで以上です。
相続人自身がこれらを行おうとすると、書類を受け渡したり、協議したり、と何度も会う必要があったりするので、兄弟が遠く離れたところに住んでいる場合などは結構大変だと思います。
なのでその場合は司法書士に頼んでしまったほうが結果的に安上がりだったりするかもしれません。
私の場合は幸い、姉は実家の隣に住んでおり、私も電車で1時間ほどで行ける程度の距離だったので、何度か実家を訪れて何とか手続きを進めました。
また、相続人同士の関係がよくなかったり、関係がややこしかったりすると色々もめて大変でしょうね。
相続人の配偶者が口を出してくるなんて場合もあるようです。
(そういえば、父方の祖父母が亡くなったときは母が、、、)
私の場合はその点は平和的に済んでスムーズに事が運びました。
あと、先祖代々からの土地とか、何代か前から、相続手続きをしていなくて、未だにひいひいおじいさんの名義に、、なんて場合もあるようです。
まぁ、少しでも皆さんのご苦労が軽減されればと思い、記録を残しました。
あと、感じたことですが、事故死とか若くして病死とかでない限り、相続人もいい歳になっていることも多いです。
これだけややこしいことを調べて、理解して、歩き回って手続きをするには知力、体力が必要です。
父は80代後半に入り、頭は割とはっきりしているし、足腰も結構丈夫ですが、これらの手続きを主導するには正直つらいし、姉も50代後半に入り、自身で老いを感じ始めている様子で、最年少(と言っても52歳)の私が主に調べたり動いたりしていました。
いや、でも、あと数年母が生きていたら私も姉の歳になってしまう。
私の父母は50年前にしては晩婚だったので親と歳が離れているが、もっと歳の近い親子も多いだろう。
あるいは子供がいない夫婦で天寿を全うした配偶者の相続手続きを、、とか考えるとつらいですね。
いきなり司法書士とかじゃなくて、役所とかで私がここに書いた程度の知識のサポートをしてほしいですね。

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そのこと自体はだいぶ前から覚悟できていたことなので、今は特に落ち込んだりとかはしていませんので、ご心配なく。
さて、そうなると相続手続きが必要になります。
結構あちこち走り回らなければならないので、司法書士などに頼んでしまう人も多そうですが、父、姉と協力して何とか自分たちだけでやりました。
折角なので、皆さんにも共有しようと思い、やったことを記録しておこうと思います。
ただし、相続は様々なパターンがあり、私は当然専門家ではないので、すべてを網羅して書くことはできません。
あくまで私が体験したパターンのみの記述になることはご了承ください。
また、私の思い違い、記憶違いで誤ったことを書いている場合も無いとは言えないので、詳細、疑問点は法務局、各金融機関、税務署等にご確認ください。
私が体験したパターンは以下の通り。
母が死亡
父は健在
父、母ともに離婚歴、非嫡出子無し
私の兄弟は姉一人
相続人は全員国内在住。
母の遺産は実家の土地、建物の持ち分、預貯金
遺書無し
比較的単純で、ありがちなパターンになると思います。
前提として、死亡届は提出済み、年金などの停止手続きも済んでいる状態からのスタートとします。
また、相続の世界では、亡くなった方(故人)の事を被相続人というので、この後もそのように表記します。
亡くなった方の遺産を相続する人は相続人です。
そんな私のパターンでやるべきことはこれだけ。
1.遺産の把握
2.遺書の有無確認
3.預貯金の停止、残高証明書発行依頼
4.土地家屋の価格の調査
5.被相続人の戸籍謄本収集
6.相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明
7.法定相続人情報一覧図を作成
8.遺産分割協議書の作成
9.相続手続き(土地、建物)
10.相続手続き(預貯金)
11.相続税の申告、納付
結構あります。
一つ一つ説明していきます。
1.遺産の把握
まずは、当然、遺産がどれだけあるかを把握します。
遺産となるものは、主に
・土地建物などの不動産
・クルマなど
・預貯金、現金
・株などの有価証券
・会社など
・高価な美術品など
がありますので、それらをリストアップするところから始まります。
よほどの資産家でない限り、不動産、クルマ、美術品辺りは物があるのでわかりやすいと思いますが、預貯金、有価証券などはタンスの奥深くに隠してあったり、今時、紙の株券も珍しくなってきていると思いますので、結構把握に手間取るかもしれません。
2.遺書の有無確認
遺書があり、それに財産の分割について記述があれば、その通りにする必要があるので、遺書を探します。
私のパターンでは状況的に遺書は無いと判断されたので遺書があるパターンについては詳細は知りません。
遺書が無い場合や、遺書に記述がない遺産があった場合などは8.に書く遺産分割協議書の作成が必要になります。
3.預貯金の停止、残高証明発行依頼
遺産分割にあたり、まずは被相続人の預貯金を停止する必要があります。
それと同時に、被相続人の死亡日現在の残高を把握する必要があるので、残高証明書の発行を依頼します。
実際の依頼は、住んでいるところの問題で、父と姉に任せてしまったので詳細は知りませんが、被相続人が死亡したことを証明するために除籍謄本(役所で言う除籍謄本は婚姻や死亡で誰もいなくなった戸籍謄本の事ですが、金融機関などに言われる除籍謄本とは、死亡のため除籍になったことを記載された通常の戸籍謄本の事)が必要になるようです。
被相続人の最後の本籍地の市区町村役場でもらえますが、死亡届を出してから実際に戸籍や住民票に反映されるのに1週間程度時間がかかるそうなので、しばらく待ってからでないと動けません。
金融機関への手続きの詳細や必要書類は、各金融機関によって異なると思いますので、遺産のある金融機関にお問い合わせください。
4.土地家屋の価格の調査
相続は、遺書が無い場合、基本的に被相続人の配偶者が遺産の半分を、残りを被相続人の子供が等分して相続します。
そのため、遺産に土地家屋がある場合は、それが幾らに相当するかを知らないと分割のしようがありませんし、相続税を申告する際にも幾ら払えばいいかわかりません。
また、土地家屋の相続手続きの際にも金額が必要になります。
この金額は、不動産屋さんが幾らで買ってくれるかとかではなく、固定資産税のもととなる金額となります。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001207255.pdf
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188808.pdf
この辺の後ろの注記に書いてあるのですが、
市区町村役場で管理している固定資産課税台帳の価格がある場合は,その価格です。市区町村役場で証明書を発行しています。
なお,固定資産課税台帳の価格とは,市区町村役場で発行している証明書において,一般的に「本年度価格」,「○○年度価格」又は「評価額」と表記されている価格であり,「固定資産税課税標準額」ではありません。
固定資産課税台帳の価格がない場合は,登記所が認定した価額です。不動産を管轄する登記所の登記官にお問い合わせください。
とのことなので、まずは、市区町村役場からアプローチしてみましょう。
私の場合は、結局都税事務所の遺産の土地家屋の住所地を管轄するところから「土地家屋名寄帳」というものを取り寄せました。
この時に、土地家屋の住居表示とは少し違う、地番、建物番号などが必要になりますので、登記の際の書類があるといいですが、最悪住居表示でもなんとかなります。
5.被相続人の戸籍謄本収集
これも、戸籍に死亡届が反映されている必要があるので、1,2週間たってから動いたほうが良いでしょう。
被相続人の法定相続人(多くの場合、配偶者、子)が誰であるかを証明するために必要になります。
自分たちは相続人の範囲はこれだけと思っていても、実は被相続人に離婚歴があって、前の配偶者との間に子供いた、あるいは非嫡出子(婚姻関係にない相手との子)が居た場合は、その人たちにも相続権があるので、この後作る遺産分割協議書の作成に加えなければなりません。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要です。
わからなければ、まずは現在の本籍地の市区町村役場に請求しましょう。
戸籍を作る際には、その前はどこに戸籍があったかが書いてあります。
郵便でも取り寄せられますが、1通当たり幾らと手数料がかかり、郵便での取り寄せの場合、郵便小為替というのを手数料分作り、同封する必要があります。
ただし、戸籍は戸籍の法律が変わったタイミングで作り変えられたりするので、1通か2通かわからない場合もあります。
割と最近でも平成6年に法律が変わったようで、母の戸籍で言うと平成13年、平成20年に戸籍が作り変えられていました。
そんなこともあり、最初は郵便で取り寄せようかと思っていたのですが、母の実家の市が、たまたま、私が住んでいるところから40km程度だったので車で市役所に行くことにしました。
しかし、結果的にそれは正解でした。
まず、上記の戸籍に関する法律の改正の問題で、案の定2通出てきました。
更に、生まれた時からその市に居たのかと思いきや、生まれてから4歳くらいまで、隣県の、私から見るとおじいちゃんの兄を戸主とする戸籍に入っていたのです。
そこまでも数kmだったので、そっちまで足を延ばして無事に出生時からの戸籍謄本をすべて集めることができました。
そんなところに戸籍があったことは父も知りませんでした。
普段から配偶者、両親の本籍地の変遷を聞いておいたほうが良いですね。
親や配偶者の結婚前の戸籍謄本を取る場合は、被相続人の子、配偶者であることを証明するために、請求者の戸籍謄本や身分証明が必要になります。
6.相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明
相続人の戸籍謄本、住民票、印鑑証明も何かと必要です。
各自相続人の人数分取得して、各相続人に配っておいたほうが良いでしょう。
各相続人の住所地、本籍地の市町村役場で取り寄せてください。
7.法定相続人情報一覧図を作成
最低限、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本があれば相続手続きはできますが、何通にもなって、更にそれらを相続人の数だけそろえると大変なことになるし、それらを見る人も大変です。
そこで、最近できた制度のようなのですが、法定相続人(多くの場合、配偶者、子)をすべて家系図のように記載した、法定相続人情報一覧図というものを自分で作成し、法務局へ被相続人のすべての戸籍謄本とともに持っていくと、法定相続人情報一覧図が確かに正しいと証明してくれて、その一覧図一枚で法定相続人がこれだけであるという事の証明になるものを請求できるようになります。
被相続人の最後の住所地か、いずれかの相続人の現住所の管轄の法務局で証明をしてもらいます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000014.html
必要書類は
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・作成した法定相続人情報一覧図
・一覧図に相続人の住所を記載する場合には相続人の住民票
・申出人(法務局に行く人)の認印
が最低限必要となります。
これらは原本の返却を希望すれば、証明書発行時に返却されます。
この手続きには法務局への予約が必要です。
また、法務局の証明の入った一覧表ができるまでに1週間程度かかります。
再度法務局を訪れて受け取るか、ゆうパックで送ってもらうかを選択できます。
最低限相続人の数だけ請求しておけば、以後の相続手続きを並列にできます。
8.遺産分割協議書の作成
遺産の分割について記述された遺書が無い場合、預貯金の残高証明、土地家屋の価格に基づいて、相続人全員で協議し、どの遺産をだれが相続するかを決定して、文書にします。
これが無いと、法務局や各金融機関は、窓口に現れた人に遺産を渡していいかを判断できません。
相続人全員の署名、実印を押し、同じものを相続人の人数分作成します。
フォーマットは特に決まったものはありませんが、例えば以下のような感じ。
https://www.smbc.co.jp/kojin/souzoku/chishiki/chishiki05.html
ここまでで、やっと相続手続きの準備完了です。
私の場合、ここまでで2か月ほどかかりました。
9.相続手続き(土地、建物)
相続する不動産の所在地を管轄する法務局で手続きをします。
(予約が必要です。)
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/fudousan4.html
必要な書類等
・申請書
・法定相続人情報一覧図(ホームページには被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本とありますが、一覧図があればそれだけでいいそうです。)
・土地家屋の価格を調べた時に取り寄せた書類
・遺産分割協議書
・法定相続人全員の印鑑証明
・土地家屋の相続人住民票?
・土地家屋の相続人戸籍謄本?
・土地家屋の相続人実印、認印
相続人の住民票、戸籍謄本は必要だったかちょっと記憶が定かでないです。
書類はコピーと共に渡せば後日原本は返ってきます。
手続き完了まで半月程度かかります。
10.相続手続き(預貯金)
各金融機関で手続きをします。
金融機関によって手続きの方法や、手続きのできる支店(最寄りでいいのか、口座のある支店の必要があるのか)が違うので、各金融機関に確認が必要です。
最低限必要となるのは
・相続する通帳、証書
・法定相続人一覧図
・遺産分割協議書
・法定相続人全員の印鑑証明
・該当の口座を相続する相続人の住民票
辺りです。
とりあえず私が相続したゆうちょ銀行の預金についてはすでに手続きをしたのですが、まずインターネットで登録のようなものをして、いくつかの書類を印刷して最寄りの普通の郵便局へもっていきました。(本局とかである必要はなさそう)
通帳、証書以外の書類は郵便局側でその場でコピーを取って、原本を返却してくれました。
書類はいったんセンターに送られ、後日私の名義になった通帳などが送られてきました。
https://www.jp-bank.japanpost.jp/tetuzuki/souzoku/tzk_szk_index.html
11.相続税の納付
被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要です。
被相続人の配偶者は非課税です。
被相続人の最後の住所地の管轄の税務署に納付します。
これはまだやっていないので、詳細は不明です。
被相続人の最後の住所地の税務署で手続きをする必要があるため、まずは、実家の隣に住んでいる姉にやってみてもらって、必要な書類等がはっきりしてから行こうと思っています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/souzoku.htm
<2020/9/23追記>
相続税についてはここに書きました。
相続税の納付について
まとめ
役所から取得する書類
・被相続人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の住民票
・相続人全員の印鑑証明
・土地建物の評価額がわかるもの
金融機関から取得する書類
・残高証明書
作成する書類
・法定相続人情報一覧図
・遺産分割協議書
たぶん、これで以上です。
相続人自身がこれらを行おうとすると、書類を受け渡したり、協議したり、と何度も会う必要があったりするので、兄弟が遠く離れたところに住んでいる場合などは結構大変だと思います。
なのでその場合は司法書士に頼んでしまったほうが結果的に安上がりだったりするかもしれません。
私の場合は幸い、姉は実家の隣に住んでおり、私も電車で1時間ほどで行ける程度の距離だったので、何度か実家を訪れて何とか手続きを進めました。
また、相続人同士の関係がよくなかったり、関係がややこしかったりすると色々もめて大変でしょうね。
相続人の配偶者が口を出してくるなんて場合もあるようです。
(そういえば、父方の祖父母が亡くなったときは母が、、、)
私の場合はその点は平和的に済んでスムーズに事が運びました。
あと、先祖代々からの土地とか、何代か前から、相続手続きをしていなくて、未だにひいひいおじいさんの名義に、、なんて場合もあるようです。
まぁ、少しでも皆さんのご苦労が軽減されればと思い、記録を残しました。
あと、感じたことですが、事故死とか若くして病死とかでない限り、相続人もいい歳になっていることも多いです。
これだけややこしいことを調べて、理解して、歩き回って手続きをするには知力、体力が必要です。
父は80代後半に入り、頭は割とはっきりしているし、足腰も結構丈夫ですが、これらの手続きを主導するには正直つらいし、姉も50代後半に入り、自身で老いを感じ始めている様子で、最年少(と言っても52歳)の私が主に調べたり動いたりしていました。
いや、でも、あと数年母が生きていたら私も姉の歳になってしまう。
私の父母は50年前にしては晩婚だったので親と歳が離れているが、もっと歳の近い親子も多いだろう。
あるいは子供がいない夫婦で天寿を全うした配偶者の相続手続きを、、とか考えるとつらいですね。
いきなり司法書士とかじゃなくて、役所とかで私がここに書いた程度の知識のサポートをしてほしいですね。

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この記事へのコメント
とても、勉強になります。幸いにも両親はまだ健在ですが、何時なにがあるか分からない年齢なので、他人事ではありません。私は海外住みですから、両親の遺産のほとんどは、妹が相続する事になると思いますが、きっと司法書士さんに丸投げする事になると思われます。
相続人が海外在住だとまたちょっとややこしそうですね。
ゲンタロウさんも何度も行き来もできないでしょうから、司法書士にお任せするのがよさそうですね。
まだまだ先の事とは思いますが。