教科書に書いていることを信じない

本庶佑特別教授のノーベル賞受賞が決定。

またもや日本人の受賞と言う事で、誇らしい事です。

その、本庶教授の記者会見で、こんなことを言われていた。

「研究者になるには一番重要なのは、何か不思議だなと思う心を大切にすること。教科書に書いていることを信じない。常に疑いを持って、本当はどうなっているのかという心を大切にする。自分の目でものを見る。そして納得する。そこまであきらめない。そういう小中学生が研究の道を志してほしい」

一部はTV報道でも使われていたのでご存知の方も多いだろう。

これは私もそう思う。

「教科書に書いていることを信じない」と言うのはショッキングな言葉だが、これは、

「教科書は捨てちまえ」

とか

「学校の授業なんか受けなくて良い」

という事を言っているのではないと思う。


もう少し誤解を受けないような言い方で言うと、

「教科書に書いていることを鵜呑みにしない」

と言う事ではないだろうか。

単純に、いい成績を取りたい。
受験に合格したい。
と言う事が目的なら教科書に書いてあることを何も悩まずに覚えれば良い事。

でも、研究者を目指すならそれではだめ。

「教科書にこう書いてある。
 でもなんでそうなる?」

まずこう思う事が大事だと思う。

そこで、なんでそうなるかを考え、足りない知識を勉強して補い、自分で説明できるようになったら、本当に理解できたという事。

結果、教科書が正しいかもしれない。
でも、それが本当に理解するという事。

ただし、理由を俺様理論で勝手に納得しているのではだめ。
教科書を全部疑ったらきりがないが、教科書に書いてある事でも、これは納得できるという知識の組み合わせで説明できるかどうかだ。


あとは、小中高校レベルの教科書では、その年齢で知っているはずの知識レベルに合わせた説明をする。
なので意図して、厳密に言えばウソになる説明がなされている場合も有る。

でも、大学レベル以上となればそのウソを乗り越えた本当を知らなければならない。

そして、特にサイエンスの分野では現代の知識が全てでは無い。
まだわかっていない事もたくさんある。
今はこうだろうと思われているが、後々いや、違ったとなる事も多いだろう。

そういう意味の「教科書に書いていることを信じない」という発言と思う。


だって、教科書に書いてあることが全てであるとすれば、もうこれ以上学問の発展はないという事になりますよね。

「現代の知識が全てでは無い」「まだわかっていない事もたくさんある。」と言うあたりは





を読むと参考になるだろう。

読書感想 「99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」

なにはともあれ、本庶教授おめでとうございます。

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